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1500m走、2回目


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S先生:K、1500mを7分14秒。次の次のグループに混ざって、もう一回な。
K:うぇ、もう一回ですか?オレが長距離苦手なの、ご存じじゃないですかぁ…。
Kは、短距離走は得意ですが、スタミナがないのか長距離走は大の苦手。体育の時間に校内マラソン大会のコースを走ると、グラウンドに戻ってくるのは、授業終了のチャイムの2・3分後になることもしばしば。手抜きか本気か確かめるために、同級生の一人が並走したこともありましたが、彼の予想より早い段階から呼吸が乱れ、苦しみつつも走っていました。どうやら本当に苦手の様子。同級生たちは「またK待ちかぁ。」と体育座りで談笑し、先生からは「Kは時間がかかるから、みんなよりも先にスタートしていいよ。ほれ、行け。」と言われる始末。授業後のKは「待たせてちゃって悪いけど、次の授業には間に合ってるからギリギリセーフ?」と言っては、「いや、アウトだろっ!」とツッコミを受けつつも楽しそうにしていたものです。
S先生:おう、知ってるよ。でも7分はないと思うんだよ。ほれ、行け。
K:もう一回走っても、変わんないんじゃないですかね。長距離苦手だし…。
S先生:いいから、ほれ、行け。本気でな。
Kが走り終えると、先生が駆け寄ってきて、嬉しそうに言いました。
S先生:K、6分20秒!ほれ見ろ、やっぱり7分をきれるじゃないか。
K :…おお、…ホント…ですね…。1回目も本気で走ってたんですけど、驚きです。息を切らせながらグラウンドに仰向けになると、Kは自分の呼吸と鼓動をうるさく思いながらも、どこか清々しい気分になっていました。
Kは高校時代の私です。その時は、何で自分だけ2回も走らなければならないのだろう、苦手なことでも結果が全てなのかな、でも、タイムは良くなったから走った甲斐はあったなぁなどと思っていましたが、後から、本気で走っているつもりだけれども本気を出せていないということを伝えたかったのだと聞かされました。「自分のできていることよりも少し高い目標設定をすると本気で取り組みやすくなる」「自分の限界だと思っているところが本当に限界とは限らない」ということを、体感させてもらえたできごとでした。「自分の力はこのくらいだろう」「これくらいの努力をしておけばよいだろう」と考えること自体は、決して悪いことではありません。自己分析をすることは、社会生活においても必要となる力でもあります。しかしながら、その自己分析によって、意図せず自分の限界を決めてしまい、頑張っているつもりでも無意識のうちに全力を注げなくなっているということもあります。自己分析や努力方法が適切かどうかについては、やはり先達(せんだつ)のアドバイスを聞いて、実際にやってみることも大切ですね。Change and Challenge! 新たな自分を発見していきましょう。
裾野校 熊谷 学