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食塩の力


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新年明けましておめでとうございます。
新年早々雪が降り、ニュースでも事故やけがなどの話題が取り上げられています。
雪が降ると水で濡れた路面が凍結してしまうため、歩いている人や車が滑ってしまい事故やけがにつながります。そこで雪の多い地域では道路や歩道に凍結防止剤という白い粒を撒いて凍結を防いでいます。この白い粒の正体は多くが塩化ナトリウム、つまり「食塩」です。なぜ食塩が凍結防止剤になるのでしょうか。
小学校の理科の授業で水は0℃で凍るのに食塩水は0℃でも凍らないという実験をしたことがありませんか?食塩を水に溶かせるだけ溶かした場合温度は下がりますが、-20℃程度まで凍りません。温度が下がるのに凍らないなんて不思議ですね。その秘密は「溶ける」にあります。食塩は溶ける際に氷から熱を奪います。氷は溶けて水になる際に周りから熱を奪います。この2つの「溶ける」が重なり、温度は下がるわけです。さらに、水に不純物が混ざると氷になるのを妨げるため温度は下がるのに氷にならない現象が起こります。大量の食塩を道に撒くなんてもったいないと思ってしまいますが、この食塩は食用に作られる製法ではなく、リサイクル用にゴミを処理する過程で出てくる副産物だそうです。これまでは埋め立て処理されていましたが、あるリサイクル業者が「凍結防止剤として利用できないか」と提案し、平成20年から使用されているそうです。世の中を変えた提案ですね!量に限りがあるため主に高速道路で使用されています。また、用途によって塩化マグネシウムや塩化カルシウムを使う場合もあるそうです。他にも食塩水の仕組みを利用した例として、鮮魚店が挙げられます。食塩水に氷を入れた中に魚を保存することで、0℃よりも低い温度で冷凍することなく魚の鮮度を保っています。
小学校で習う理科の実験が、生活に役立てられているのは驚きですね。仕組みを知ると面白い発見があり、より一層勉強が楽しくなります。今年も三島進学ゼミナールでは、子どもたちの興味、関心を引き出す授業を全力で行って参りますのでご期待ください!
修善寺校 露木秀人