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「偶然」の裏側


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 こんにちは。後期中間テストが終わり、かわせみ校に通う生徒たちのテスト結果が続々と返ってきました。前回より大幅に得点を伸ばした生徒もいれば、惜しくも目標の点数に届かなかった生徒もいました。
 生徒たちの話を聞くと、この期間はスマホやゲームを我慢して、勉強に思いきり打ち込んだ生徒が多かったようです。そこで、今日はとあるゲームにまつわるお話を紹介します。

 皆さんは「ドラゴンクエスト」というシリーズのゲームを知っていますか? 自身がゲームの主人公となり、世界を脅かす敵を倒すために、壮大な冒険物語を繰り広げるゲームです。1986年に、日本のゲーム会社である「エニックス」から第一作目が発売されて以降、シリーズ本編は数百万本の大ヒットを飛ばし続け、現在も老若男女問わず多くの人々から愛され続けています。
 キャラクターデザインや、世界観などももちろん素晴らしいのですが、とくに有名なのが、ゲームのタイトル画面で流れる、オープニングテーマの「序曲」でしょう。2020年の東京オリンピックでは、選手入場曲としても使用されたため、皆さんも一度は聞いたことがあるかと思います。作曲を担当したのはすぎやまこういちさんで、他にはゴジラのBGMやJRAの競馬で使われるファンファーレなども手掛けていました。

 彼は「『序曲』のメロディに関しては出来上がるまでに5分かからなかったかな」と語っています。ここだけ聞くと、偶然思いついた曲がドラクエシリーズに使用され、そのゲームがヒットしたことで不朽の名曲となった、と感じるかもしれません。

 しかし、そうではありません。彼は続いてこのように語っています。

   それでよく著作権に関して、「たった5分で出来た曲にしては、ずいぶん稼げていいね」と言われるのですが、これは5分ではないの
   です。ドラゴンクエストの「序曲」を作ったとき、僕は54歳の時です。ですから、「序曲」が出来上がるまでには「5分+54年」と考
   えてください。つまり、僕の54年の人生がなければ、あの「序曲」は出来なかったわけです。
(引用:<やさしい著作権のお話>すぎやまこういちを囲む会にて)

 つまり、すぎやま氏が、54年もの間真摯に音楽に向き合ってきたからこそ、ドラクエの「序曲」が生まれたということです。偶然や幸運ではなく、それまでに彼が積み上げてきた経験が、あの名曲を生み出したのでしょう。

 皆さんも、似た経験はありませんか? テストの結果を見ながら「苦手な教科のテストで、今回は奇跡的にいい点だった!!」「今回はたまたま点数が低かっただけで、次はきっと大丈夫だろう」など、一度は考えたことがあるかもしれません。
 しかし、先程の例と照らし合わせれば、「奇跡」や「たまたま」ということはないのです。確かに、たまたまテストの問題が簡単だったり、極端に難しかったりして予想外の得点になった、ということはあるでしょう。しかし、大半のテストでは、過去の自分の努力の量や質によって、それに合わせた結果がもたらされます。また、奇跡的によい点数が取れたとしても、それを次もキープすることは難しいし、たまたま点数が低かったとしても、次も点数が低いまま、というわけではありません。

 今回のテストが上手くいった人も、いかなかった人も、テストの振り返りはしっかり行いましょう! 解き直しの際は、ただ間違えた問題だけを解き直すのではなく、たまたま合っていた問題や、勘で答えた問題も復習しておくのをおすすめします。そうすることで、次回のテストで似た問題が出題されたときに、確実に得点へ繋げることができます!

 自分にとっての最善を尽くし、努力を重ねるからこそ、「奇跡」や「幸運」を掴むことができるのです。
 経験値を積み、次のテストや試験で良い結果に繋げられるよう、今後も力を尽くしていきましょう!!