連日、パリオリンピックでの日本選手の活躍が報じられ、その結果に一喜一憂している人も多いのではないかと思います。オリンピックはスポーツの祭典とよく言われますが、やはり、そこは勝負の世界。にわかナショナリズムも手伝って、どうしても勝ち負けに注目してしまうのは仕方がないのでしょうか。
そんな中、前回の東京オリンピック大会で、史上初となる兄弟同時金メダルを獲得した柔道女子52㎏級の阿部詩選手が、まさかの2回戦敗退という結果を目の当たりにしました。金メダル確実と予想されていたからこそのショックは、応援していた私たち以上に、阿部詩選手本人に大きくのしかかってしまったのだと思います。試合終了後の阿部詩選手の振る舞いが何かと取りざたされていますが、私は、オリンピックという特別な大舞台に、本人がどれだけの努力と自制をして臨んできたか、私たち周囲の者には計り知れないものがあったと思います。そんな思いが感情を制御できずに爆発してしまったのだと思いました。もし、阿部詩選手が、「だめでも仕方がない」といった中途半端な取り組みをこれまでにしてきたのなら、あれほどの感情は湧き起らなかったと思います。結果に対してあれほどの執着を見せたのは、想像を絶する努力がそこにはあったはずです。そんな話を生徒たちにもしましたが、彼らにも将来の夢に向かって、阿部詩選手のような絶対に勝ちとるという強いこだわりの意志で、日々、頑張ってほしいと強く感じています。