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英語教師、蝶の幼虫観察にチャレンジ!


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ある日のこと、授業を終えた小学生の生徒がお迎えの車を待つ間、校舎に設置してある図書コーナーで昆虫の図鑑を夢中で読んでいました。そんな姿をそっと見守りながら、「そうだ!蝶の幼虫の観察をしてみよう。」と思い立ちました。良い写真が撮影できたら生徒に見せて喜んでもらおうと考えるとわくわくしてきました。
次の休日、私は図鑑やインターネットで情報を調べ、幼虫がよくいるという柑橘類(かんきつるい)の木を持ち主の方に許可を得て探してみました。しかし、子供の頃に読んだはらぺこあおむしの絵本に出てくるような、ふっくらしたあおむしをイメージしながら一生懸命探してみるものの、見つかりません…。 まだ少し肌寒いから早すぎたのかなと思いながら、次のポイントをみつけるべく友人と連絡を取り合います。すると、昆虫の観察に夢中になっている4歳の息子さんがいる友人から、「三つ葉やセロリの葉」が好物らしいとの情報をもらい、それをもとに近くの畑に行ってみることにしました。畑の隅に生えている三つ葉の葉を目をこらして探してみると、なんと2匹のかわいらしい幼虫がいました! 私は、畑の隅に腰を下ろし、見つけた幼虫を観察してみることにしました。
普段、どこに行くのも車で移動する生活を送る私にとって、畑に佇(たたず)むそんな時間は子供の頃以来何十年ぶり!? 幼虫を驚かせないよう、ジッと静かにその様子を見守ります。耳を澄ましてみると、鳥のさえずり、元気に飛ぶ蜂(はち)の羽音が聞こえてきます。地面に目をやれば、小さな蟻(あり)や蜘蛛(くも)、とかげがスルっと現れてはアッという間にどこかに行ってしまいます。その様子を目の当たりにしながら、私はまるで何か大きな発見をしたかのように、身近な自然に心がワクワクしてきます。本日の主役蝶の幼虫はどうかというと、三つ葉の葉を食べる、食べる! あっという間に一枚の葉をたいらげます。その猛スピードに驚きながらも、何枚かの写真を撮影することができました。後日その写真を生徒達に見せると、「うわぁ、頭をつつくと触角を伸ばすよ!」、「僕も観察してみようかな。」「私もやってみたい!」と生徒達の楽しそうな笑顔が教室に溢(あふ)れました。生徒達に喜んでもらおうと始めた観察でしたが、大人の私がすっかり小さな幼虫に夢中になっていたのでした。幼虫は、いつか蛹(さなぎ)となり羽化を経て、蝶へと成長することでしょう。三進に来る生徒達も、私たち教師が驚くスピードでたくましく成長しています。青空を舞う蝶のように、生徒達が自由に舞うそんな日を願わずにはいられない初夏の一日です。
富士高前校 栁澤英子