2016年10月16日

学力アップの道標21

国語の勉強方法
〜三つの力とは〜 読解力編
 今回は、「読解力」についてです。この力を鍛えることが最も大変です。やはり、読書量は多いことが望ましいです。活字に慣れること、抵抗感なく多くの活字に対峙できる力は経験値によって作られると確信しています。読書量は小学生→中学生→高校生と徐々に減っていきます。2012年に調べてみると、月間平均読書量が小学生で10.5冊、中学生で4.2冊、高校生になると1.6冊にまで減少していて、年々さらに減少傾向があると言われています。調査した1ヶ月の間の不読者(全く本を読まなかった)割合は、小学生で4.5%、中学生で16.4%、高校生で53.2%ですから、若者の活字離れと言われても仕方がない数字です。各学校で実施される定期テストや実力テストは勿論のこと、高校・大学入試もペーパー試験が主流です。従いまして、文を読まなければ、まして、読めなければ話になりません。学年を追っていくにつれて問題文が難化していきます。これは、国語のみならず、数学・理科・社会、当然英語の問題文にも言えることです。各教科において、その問題は何を問うているか、できるだけ早く察知し、問題作成者の意図に沿うように解答できる力をつけることが、高得点を得るための必要条件と言えます。

 さて、よく保護者の方から「どのような本を読ませたら良いのでしょうか?」とご質問を受けます。率直に言ってジャンルはあまり関係ないと思います。もう20年ほど前になるお話ですが、中2のある男子生徒とそのお母さんと私の3人で、三者面談をしていました。保護者の方からのご相談内容は「中2になってもあまり勉強をしない。もう少し勉強をした方がいいのでは」という内容のものでした。勉強時間や勉強内容をお聞きすると、大体中2生の平均値だったと記憶しています。彼は学内順位が殆ど1位ですので、確かに現状でもよいのかもしれません。しかし、内容量も増え、難度も上がる2年生2学期です。色々なことに備えて、彼には視野を広く見ることと将来の目標の話をしたことを覚えています。次の話は、以前お話しした生徒の例です。「○○くんは本当に優秀な成績を修められていますが、ご家庭ではどのようにご指導されていますか?」するとお母さんはご謙遜(けんそん)されながら、「いえいえ、そんなお話できるようなことはありません。ただ一つ言えるとしたら、小さい時からよく本を読んでいました。手あたり次第、ジャンルを問わず。」彼の学力の根底に読書量があることを、そしてその大切さを実感しました。

 生徒の関心が高いと知識の吸収がスムーズであることは間違いありません。例えば、理科に関心がある生徒には『空想科学読本』、社会に関心のある生徒は小学館の『日本の歴史』を勧めています。『その時歴史は動いた』『スタディスタジアム』などマンガになっていてもストーリーがしっかりしていて、活字がそれなりにあれば効果ありと思います。「読書百篇義自ずから見る(どくしょひゃっぺんぎおのずからみる)」と言います。どんな難しい本でも、何度でも読んでいるうちに意味が分かってきます。関心があれば、なお知識が深くなること間違いなしです。

 説明文・随筆を苦手とする生徒も多いですが、読解力アップには、短文要約がポイントです。段落ごとに作者は何を言わんとしているかを判断する力が必要です。普段接する文章の中で、10行以内の段落であれば、1行から2行程度に、10行以上の段落であれば、2行から3行程度に、要約してみることです。その後、要約した段落を読み、更に全体を2行から3行程度にまとめる習慣を作ってみましょう。文が長ければ長いほど読む気になれない生徒はこの手段を使ってください。新聞の社説を要約するツールとして使えば、一石二鳥にも三鳥にもなります。つまり、語彙力(ごいりょく)はアップし、社会事象(時事問題)に強くなるというおまけも付いてきます。
 読解力アップには、次の点も大事です。指示語「この、その、あの…」についてですが、その都度、具体的に何を指しているか代入しながら読むことです。少々時間はかかりますが、その内要領を得ます。慣れてきて、理解が確実な部分は、指示語そのままでも結構です。実際、指示語の問題は出題頻度も高く、指示語が的確であれば、正確に文を理解することに近づきます。もう一つは、接続語の理解です。逆接の「しかし」「ところが」、理由付け・補足の「なぜなら」「つまり」、予想結果の「すると」「だから」、前述比較の「それとも」「あるいは」、話題転換の「さて」「ところで」、前述内容の付加「また」「そして」などいろいろありますが、段落の要点まとめには欠かせない接続語です。

 何事も面倒と思えば向上することが出来ません。本を読むことは時に面倒なことかもしれませんが、逃げていてはいつまで経っても同じことです。まずは、新聞、ホームページ、雑誌など身近な活字から触れてみましょう。新しい発見があるかも知れません。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2016年10月3日

学力アップの道標20

国語の勉強方法
〜三つの力とは〜 知識力編
  国語の勉強で大切なことは何でしょう?時々保護者の方から「国語の勉強方法を知りたい」とご相談を頂きます。そこで、国語の三つの力について述べたいと思います。その三つの力とは、「知識力」「読解力」「表現力」です。
 初めに、知識力です。知識がなければ、そのあとの目標である、読解力や表現力には到底繋がりません。知識を身につけることは、野球でいうキャッチボールであり、サッカー、バスケットボールでいうパスです。従いまして、基礎・基本がしっかりしなければ、その上に積み上げるものが成り立たないことになります。では、知識はどのようにつけるべきでしょうか?まずは、漢字です。ある程度、1日何個、1週間で何個などのノルマが必要でしょう。ここで1つポイントがあります。例えば1日10個の漢字を覚えることとします。1日目はまず10個の漢字を覚えます。2日目は次の10個を覚えるのですが、加えて、1日目に覚えた漢字10個の内、完璧に大丈夫と思えるもの以外は、もう一度覚え直すことが大切です。従いまして、2日目に覚える漢字は、本来覚えるはずの10個プラス前日の数個になります。確実に覚えられた漢字以外は、重ね重ね覚えていきます。以前にも書きましたが、漢字を覚える際、一律に一つのものを一行ずつ書くことよりも、やはり自信のある漢字は一度書いて確認し、自信のないものは、一行とは限らず、何度でも書いて練習する必要性があることは間違いありません。

 加えて、漢字には成り立ちがあります。象形(しょうけい)文字『鳥・耳・月など』、形声文字『姿・針・蚕(かいこ)など』、指示文字『上・下・一など』、会意(かいい)文字『岩・森など』、転注(てんちゅう)文字『意味の転化によりできた漢字』、仮借(かしゃく)文字『当て字』があります。漢字を単に暗記するよりも、成り立ちを考えたり、辺やつくりの意味を考えたりすると、圧倒的に覚える効率が良いでしょう。

 それに対して、ことわざや慣用句などはある程度まとめて覚えるのが良いと思います。例えば、「弘法にも筆の誤り」と同じ意味として「猿も木から落ちる」「河童の川流れ」などがあります。いずれも「どんな天才でも、どんなにその物事に精通していても、失敗することはある」ということを表します。このようなことわざを一気にまとめて覚える方が、イメージがしやすく効率的です。
「猫に小判」「馬の耳に念仏」「豚に真珠」をひとまとめにすることも出来ます。更に、力を入れて行っても手ごたえなしという意味で「のれんにうでおし」と「とうふにかすがい」、悪いことが重なるという意味で「弱り目に祟(たた)り目」「泣きっ面にはち」など、例をあげてみれば沢山あります。また、逆の意味として「カエルの子はカエル」と「トンビがタカを生む」があります。対(つい)にしたり、ひとまとめにしたりすることで多くのことわざを覚えることはとても効果的です。

 次に慣用句ですが、バリエーションを変えて一気に覚えてしまうこともできます。例えば、「手に落ちる(ほしいものが手に入る)」「手に負えない(どうしようもない状態)」「手があく(余裕ができる)」「手がかかる(世話がやける)」「手を切る(関係を打ち切る)」…「手」を使った慣用句をあげてみれば、かなり沢山の数になります。これらは人がどんな行動をするかによって、様々なことを表現しています。

 国語は当然のことながら母国語であり言語です。英語を話すことのできる人は極力英会話をしています。従って、使っていれば覚える事が出来ますが、使わなければ忘れてしまいます。夏休みに課題とされる読書感想文や作文コンクールの時、あるいは友だちとの手紙や年賀状に、新しく覚えた漢字やことわざ・慣用句を使うことをお勧めします。イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉に『知は力なり』があります。しかし定着していなければ本当の知識とは言えません。つまり、実践で活用できてこそ知識力となるのです。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2016年9月13日

学力アップの道標18

ここがチャンス テスト後の対応を…
 テストが行われた後、その結果を、お子さんに聞かれ、何らかのコメントをされると思います。一つケーススタディをしてみましょう。一教科50点満点のテストで、英語50点、数学45点、理科42点、社会35点、国語28点を取りました。どの教科からコメントされますか?勿論、絶対正しい解答があるわけではありませんが、私だったら、まず50点満点の教科からコメントします。「満点は凄いね。」「英語は素晴らしい結果だね。」と褒めることから始めます。理由は、国語に関して『しまった』『まずい』『恥ずかしい』『叱られる』などと大概の場合、失敗を自覚していたり、叱られるというマイナス状態になっているからです。そこに『何をやってるんだ』『しっかりしろっ』と言わると、気持ちがへこんでしまいます。話を聞こうという心をシャットアウトしてしまっていては、こちら側の言いたいことが伝わりません。

 テストは終了後がとても大切です。実はここに学力アップの最大のチャンスがあるのです。テスト問題は生徒が必死に解いた、考えた問題です。すなわち問題を解いた過程や解答が記憶にあるのです。誤答をした場合、「こうすれば良かった」などの感想を持ち易くなっています。そこがチャンス。「やり直し」という重要な行動をスムーズに起こさせるには、モチベーションをどのように保たせるかが大切です。まずは、成功を褒めてから、次に気になる教科へのコメントに入っていきます。しかし、ここでも段階が必要です。「英語良かったね、でも国語はひどいね。」とすぐに気になる教科のコメントに入ってしまっては、褒めたことも薄らいでしまいます。

 以前教えていた生徒で、中三の夏以降驚異的に学内順位を上げ、トップ高校に進学した生徒は、大切に定期テストと実力テストを保管していました。その生徒は、勿論それ以前のテストを保管していただけではありません。テスト終了後に、一度解き直しをしていました。覚えていなかった箇所を覚え直したり、出来なかった箇所は解き直し、分からなければ質問をする行動を取っていました。しかし、それだけではありません。夏にもう一度全テストをやり直す行動に出ているのです。加えて大切なことを一つ。明らかに大丈夫な問題までもやり直していないことです。時間のロスをさせないことは、受験勉強でだけでなく、あらゆることに当てはまると思います。「出来る問題は出来るが、出来ない問題は出来ない」では意味がありません。

 「人はどんな時に成長するか?」という問いに対して、一つの解答があります。それは、事後の反省にあると思います。発明王エジソンの発言は、「天才は一パーセントのひらめきと九十九パーセントの汗(努力)」と訳され、世に広まっています。彼がいなかったら、世界は百年遅れていたと言われる存在です。その努力とは、失敗の連続を意味しています。失敗を繰り返しながらも諦めず、その反省をもとに次の実験を進める。いつしかそれが、偉大な発明となるのです。「失敗は成功の母」といいます。子どもたちの学習でいえば、間違った問題は成長の母とも言えるのでしょうか。間違った問題やできなかった問題は、言いかえれば生徒自身の財産だとも言えるのです。

 テスト終了後のチャンスを掴(つか)んでほしいからこそ、慎重に慎重を重ね、生徒に声をかけてあげたいと思います。いくら勉強不足でも、テストで失敗しようと、あるいは失敗してもいいと思って受験する生徒は殆(ほとん)どいないのですから。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2016年9月1日

学力アップの道標17

感情動物 「褒(ほ)める」ことの効果は…
 「最近子どもを褒めていますか」と聞かれてどのように答えられますか?親は徐々に子どもを褒めなくなると言われます。生まれてから何年かは、「立てて凄(すご)いね」「話して凄い、凄い」と、日々何かにつけて褒める機会があり、子どもたちを褒めます。褒めまくります。そうなると、子どもは褒められることをうれしく思い、更に次へと行動します。そのまま褒め続けていればいいかといえばそうではありません。つい気になることの方が増えてきます。そこで、段々と「褒め」から「叱り」へと変化するのです。同じ行動でも、「良く寝ていいね。」という言葉が、いつしか「いつまで寝ているの。早く起きなさい。」という具合に変化します。朝、子どもが起きなければこれは当然のことですが、このようなことの延長線で、お小言が多くなってしまうのも事実です。

 当然のことですが、子どもたちは叱られるより、褒められる方がうれしいです。それは大人も同じこと。ある日の職場での会話です。「ここのところ週に二、三回はコロッケが食事に出てくるけど、もう飽きたとは言えないので困っている。」という話でした。聞いてみると、普段めったに食事についてコメントをしたことがなかったそうですが、その日たまたまコロッケがとても美味くて、つい「今日のコロッケは最高だな、今までこんなにおいしいコロッケ食べたことがない。」と、奥さんを本気で褒めてしまったそうです。本気で褒めることは全く問題ないのですが、奥さんからすれば、余程嬉しかったらしいのです。その日からコロッケの頻度(ひんど)が明らかに多くなったそうです。大人でも褒められればうれしいのは当然のことです。そして、次への行動に繋がっていくのです。

 日常生活の中で、どちらかといえば、マイナスの言葉(「早くしなさい。」「ぐずぐずしない。」「だめでしょ。」)が、プラスの言葉(「良くやったね。」「素晴らしい。」「頑張ったね。」)より割合が多くなるのは当然かも知れませんが、危険なのは「褒め」を忘れてしまうことではないかと思うのです。本来、人間には認められたいという認知欲(にんちよく)が存在します。私も教壇(きょうだん)に立ち始めたころ、先輩から生徒を褒める指導を受けました。一分間に何種類、褒めることができるかという練習です。「素晴らしい! OK! 抜群! 良くできた! その通りさすが! 将来の科学者だ!…。」新米教師の私には、褒める言葉の語彙力(ごいりょく)がありません。必死で真似るのが精いっぱいでした。練習はぎこちない感じでしたが、いつしか教室で自然に褒めている自分がありました。褒めるときは自然体でかつ感情が入っていることが大切です。当たり前のことですが、形式的に褒めたとしても、心がこもっていなければ嬉しくありません。とはいえ、教室ではとっさに褒めることが大切で、今もなおその時の練習が役に立っています。

 なお、効果的な褒め方があります。これは以前職場の先輩から教えて頂いたことですが、「間接的な褒め方」です。例えば、「○○先生が言ってたぞ、君は数学的センスが抜群だそうだな」という具合に、第三者を登場させ褒める方法です。特に、その第三者が本人に関わっていれば、なお効果ありです。自分がいない場で自分を褒めてくれている人がいることを想像すれば、如何にそのようなことが嬉しいか分かります。

 最後に、子どもの学力アップ、成長を願う気持ちから「褒める」ことの大切さをお伝えしました。加えて、人間には様々な欲がありますが、その中に人から認められたいという名誉欲(めいよよく)というものがあります。つまり、人から褒められればうれしいし、認められれば喜びにつながります。そのためには、「己の欲する所を人に施(ほどこ)せ」ですね。自分自身が人から褒められたい、認められたいと思えば、まずは自分が褒めること、認めることではないかと思います。すなわち積極的に「褒める」はプラス思考の最も優先すべき行為と言えるのです。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2016年8月24日

学力アップの道標16

根本理解 公式代入だけでは・・・
  三角形の面積を求める公式は「底辺×高さ÷2」ですね。では、公式そのものはどのように出来上がったのでしょうか?小学校高学年から段々に学ぶべき公式が増えてきます。次に、少し整理してみましょう。

【面積】長方形=縦×横 正方形=一辺×一辺
    平行四辺形=底辺×高さ 三角形=底辺×高さ÷2
    台形=(上底+下底)×高さ÷2
    ひし形=対角線×対角線÷2
    円=半径×半径×円周率
【体積】直方体=縦×横×高さ 立方体=一辺×一辺×一辺
    角柱・円柱=底面積×高さ
【角度】三角形の内角の和=180度
【速さ】速さ=道のり÷時間 時間=道のり÷速さ
    道のり=速さ×時間
【割合】割合=くらべられる量÷もとにする量
    くらべられる量=もとにする量×割合
    もとにする量=くらべられる量÷割合
【平均】平均=合計÷個数 個数=合計÷平均 合計=平均×個数
【その他】円周=直径÷円周率 人口密度=人口÷広さ

と、小学生で勉強しなければいけない公式はせいぜいこの程度ですが、何も丸暗記しなくともよい公式もあります。いやむしろ丸暗記より大切なことがあります。それが根本理解(その公式ができる過程まで理解すること)です。例えば、上記多角形の面積を求める公式ですが、すべて長方形の面積がベースになっています。三角形も台形もひし形も、長方形にして2で割ることで、公式がつくられています。この考えを理解していれば、様々な問題を解く上でも役立ちます。例えば円柱を斜めに切った立体の体積を求める場合、「楕円(切り口)の面積の求め方は何だったっけ?」などと一瞬戸惑う生徒もいますが、同じ立体を二つつないで円柱を作り、円柱の体積を求め2で割る手段を知っていれば、いとも簡単に解くことが出来ます。公式は確かに覚えた方が良いのですが、その公式が出来る過程まで理解しておくと便利です。

 速さや割合の公式は三つセットになっています。しかし考えてみてください。速さ=道のり÷時間 時間=道のり÷速さ 道のり=速さ×時間と覚えるより、速さは、一秒当たり、一分当たり、一時間当たりにどのくらい進むかという意味です。従いまして、「単位量当たり」で学習した通り、速さ=道のり÷時間で答えが出ます。残り二つの公式は暗記する必要があるでしょうか?
3=6÷2 2=6÷3 6=2×3 と同様に、一つだけ覚えておけば後は式を変形するだけです。
 中学では、数学では、解の公式、三平方の定理などの公式を覚えますが、数学だけでなく、理科も多くの公式を履修(りしゅう)します。

【中1】圧力=力÷面積  密度=質量÷体積
【中2】電圧=抵抗×電流 電力=電圧×電流 発熱量=電力×時間
【中3】仕事=力×距離  仕事率=仕事÷時間

 などがあります。勿論これだけではありませんが、やはり大切なのは根本理解です。公式を暗記するだけでは、応用問題に太刀打ちできません。例えば、電気に関して、単一回路だけでなく、直列回路・並列回路が出てきます、電流=流れている量、電圧=電流を流すはたらきの大小、抵抗=電流の流れにくさとまず、公式に出てくる語句そのものの意味を理解する必要があります。その上で、「電流を多く流そうとすればする程、抵抗が大きければ大きい程、電圧は必要である」という関係を理解していないと、回路が複雑になると解けなくなります。何かを何かで割るという公式は、単位量を表しています。「圧力は一平方メートル当たり何Nの力がかかっているか」「密度は一立方センチメートル当たり何gの質量か」という意味です。公式よりもむしろその考え方の方が重要です。

 最後に、公式は暗記した方が良いということでなく、暗記しなければいけません。公式に代入して問題を解くことが、時間短縮にもなり、効果的なことは間違いないです。ただ、いつも公式に代入すれば問題が解けるとは限りません。公式も使えなければ「豚に真珠、猫に小判」状態です。そのためには、その公式がどのように出来上がり、どのような意味を持つかを知っておくことが大切です。原理原則を根本理解することは、そのジャンルを学習する上で、正答率、定着率を上げるという観点からも重要なことだと言えます。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年10月14日

学力アップの道標N

知的好奇心それだけで終わらず
 英語・数学・理科・社会・国語の五教科でお子さんがどの教科に関心があり、どの教科が得意かご存じですか?関心のある教科が必ずしも得意教科とは限りませんが、お子さんの関心の有無によって、それぞれの教科にどのような影響を与えるのか、まずは考えてみたいと思います。

 英語でいえば、「英語が面白い」と答える生徒の大半が高得点者です。英語に関心がある生徒は、英語の知識を身につけたいという気持ちが強く、テストで得点を積み重ねていきます。数学もその傾向が強い教科です。苦手な生徒が、「数学が好き」だとか「数学に関心がある」とは聞きません。この点から考えられるのは、英語・数学はある程度叩き込みをした方が良い教科だということです。

 例えば、算数が苦手となる単元の一つに「分数どうしの割り算」があります。その説明方法は、数式からも、図形からも出来ます。その説明を省略することはいけません。なぜなら、根本的な理解をさせるのが授業ですので、「どうしてそうなるのか?」教えてあげる必要があります。しかし、まずは「分数どうしの割り算は、割る数を逆数にして(分子と分母をひっくり返して)かける。」と徹底的に叩き込んだ後、なぜそうなるかを教えた方がいいクラスも存在します。なまじ説明から入ると、かえって混乱してしまう生徒もいるためです。

 話を戻します。「出来るからこそ楽しい」「点数が取れるからこそ好きだ」という英語・数学は、基本的な事項は徹底的に暗記させ、次のステップ応用問題に挑戦させると効果的です。特に数学ですと、応用問題に挑戦し、自分の力で解いたときの達成感は、その後の「問題をもっと解きたい」という意欲へとつながります。その教科を好きに、そして、得意にさせることができるかどうかが重要になってきます。

 次に、理科・社会ですが、点数に関係なく、「理科が好き」「社会に関心がある」という生徒はいます。理科の「生物」や社会の「歴史」など関心のあるジャンルは、お子さんによりそれぞれだと思いますが、共通して言えるのは、幼いころに経験したり、あるいは本や映画の影響を受けたり、「その分野を好きになる」様々なきっかけがあったのだと思います。その時芽生えた「楽しそうだな」「面白そうだな」と言う感情が、今もなお、心の中に存在しているのでしょう。その『知的好奇心』を刺激することが学力アップへの近道となります。

 では、どのようなアプローチを心掛けたらよいのでしょうか。以下、学力アップのステップ 五段階を挙げてみます。
ステップ1…関心を持つ
ステップ2…仮説を立てる
ステップ3…自分で調べる
ステップ4…答えを確認
ステップ5…覚える


 まずは、興味関心をもつこと。次に大切なのが、興味を持った分野を調べていく中で、「なぜ」と疑問を抱くことです。この瞬間との出会いが子どもたちを大きく成長させます。自分で「ああかな」「こうかな」と仮説を立てながら、考えることがとても重要で、それは答えが分かった時に大きな差となって現れます。すぐに聞いたり、調べたりしてはいけません。自力で調べて「やっぱりそうだったのか」「へえーそうなんだ」と答えにたどり着いたときの爽快感(そうかいかん)が、成長期の子どもたちの記憶のメカニズムを刺激します。答えの確認はそれからです。当然ですが、問題のやりっぱなしはいけません。

 もっとも大きく差が出るのはここからです。できなかった問題を出来るようにすることや知らなかった語句を覚えることで学力がアップします。最後の詰めが甘くならないよう、「答えを確認したからよし!」という自己満足で終わらず、ステップ五「覚える」をぜひ大切にしてほしいと思います。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年6月18日

学力アップの道標M

継続は力なり 容易な欠席が…
 保護者の方にお尋ねしますが、子どもたちが部活動、サッカーや野球などの習いごとなどの理由で疲れてしまい、学校や塾を「今日は休みたい。」「今日は勉強しないで寝る。」というようなことを言われたことはないですか?私たちも、そのような欠席連絡を頂くことはあります。お子さんの発言に「今日は熱っぽい。」「何か熱があるような気がする。」「頭が痛いような気がする。」などを聞いたことがありますが、そもそも「熱っぽい」はまだしも、「○○のような気がする」とは一体どういう状態なのでしょうか?実際熱はあるのでしょうか?疑問が残ります。生徒は、不謹慎ですが、台風の接近を心なしか期待しているところがあります。理由は簡単です。学校が休みになるからです。

 さて、休むという行為ですが、様々な問題を起こします。まず授業に遅れてしまうという問題です。私たちの塾は複数クラスを用意していますので、そのような心配は少ないのですが、振り替えができないとなると、生徒は次の授業で困ってしまいます。数学の公式や英語の新出文法などを学習する授業が抜けると、更に厄介です。

 加えて問題なのが「休み癖」です。一度休んでしまうと、次もまた同じ理由で休みやすくなります。同じ理由ならまだしも、もっと簡単に休んでしまうケースもあります。このような場合、足が遠のくことで、行き辛くなり、辞めてしまう結果にもなり兼ねません。それでは困ります。以前、学校は休んでも塾には絶対来る生徒がいました。その日もかなり体調は悪かったそうです。授業中、彼は私に、「先生が二、三人に見える。」と言いだしたため、熱を計ってみると、高熱です。急いで保護者の方に電話をかけ、迎えに来ていただきました。これはかなり極端だと思いますが、本当に調子が悪いようでしたら休ませてください。

 しかし、体調面はご家庭でご判断いただくことですが、少々「熱っぽい」という程度であれば、そのまま連れてきていただければ幸いです。割と普通に授業を受けて帰られることが多いと感じます。これも以前あったケースですが、授業前にお母さんから電話がありました。「今日は体調が悪そうでしたが塾に行かせました。様子を見ておいてください。」という内容でした。私は「承知しました。体調が思わしくないようでしたら、お電話させていただきます。その時はお迎えをお願いします。」とお答えして、授業が始まる前の送迎時に、その生徒を捕まえ、「こんばんは、調子はどうだ。」と聞くと、「元気です。」と返事が返ってきました。あれっと思いつつも、授業で彼の体調面を気にしていましたが、いつも以上に手も上げ元気に授業を受けて、帰っていきました。結構そんなもんです。

 結局、生徒は出かけるまでが億劫(おっくう)なのです。登校してしまえば、そのまま頑張ってやっていけることが多いことがこれを証明しています。しかし、お子さんが「体調不良で休みたい。」と言ってきたとき、休ませるかどうかの判断は難しいところです。子どもたちが社会に出たら、簡単に休めないこともあります。それは責任という重みが違ってくるからです。「継続は力なり」と言います。容易に休まないことで、身に付ける力と、そのあとの達成感は大きいはずです。小学校や中学校で皆勤賞を受賞した生徒は大きな自信を身に付けます。休むことへ罪悪感さえ抱きます。それは少し行き過ぎかもしれませんが、精神的な逞(たくま)しさなど何事にも替え難い財産を手にしていることは間違いありません。しかし、適度の休息は必ず必要です。つまり、「無理させる」ことをお勧めしているわけではないことをくれぐれもご理解いただき、お子さんの容易な欠席要求に対して、対応していただけたら幸いです。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年5月25日

学力アップの道標L

タイムスケジュール 時間の見積もりから…
 同じ問題集を解くにあたって、生徒によってかける時間は違います。それは当然なことですが、同じ問題を解きながらでも学力差は生じます。なぜでしょうか?最も重要なことは集中力です。如何に頭を使っているかです。ヒトの集中力はそんなに長く続くものではありません。必ず、1時間に何回か途切れてしまいます。一説によると、ヒトの集中力はせいぜいに10分足らずだと言います。従いまして、必要なのが見積もり時間になってきます。

 大切なことは、この問題をどれだけの時間でやり終えようか最初に決めてかかることです。まず、目覚まし時計の使用をお勧めします。学校のテストであれ、塾のテストであれ、生徒たちは限られた時間内に問題を解かなければいけないという時間の縛りがあります。テスト時間は、せいぜい中学生でも50分〜60分程度ですが、相当の集中力で解いています。当然と言えば当然のことですが問題を見て「これだったら30分でできる。」と判断したのなら、目覚まし時計でもストップウォッチでも結構です。きっちりと時間を計り、タイムオーバーをしたら途中で打ち切りです。そのまま継続せず、一旦答え合わせに入って下さい。そしてやりきれなかった問題を時間延長してやり終えます。上級編は、時間の見積もりをした後、更にその時間を検討して、若干短く設定します。例えば「30分でできそうだな」と感じたなら、制限時間を20分から25分程度に設定します。そのことで、メリットが二つあります。一つはより集中力が高まります。二つ目は、自分の時間を作ることができます。

 このような時間の作り方は、将来役に立つものです。様々な仕事をする上で、期限があります。その期限に間に合わなければ、仕事としてなりたちません。よくテレビドラマで、小説家や漫画家が、出版社の社員に対して「もう一日待ってくれ」などとストーリーを面白くする上で、そのような場面を取り入れていますが、実際は期限厳守でなければ、本は発行でません。あるいは出版社が予定より期限に余裕を持たせて、作家に伝えているかです。仕事はある程度のゆとりは必要ですね。つまり、見積もり期間をギリギリで組んでしまうと、万が一のハプニングがあるとジエンドです。私も職業柄、テスト問題の作成や授業プリントを作成していますが、その日に使うからといってその日に作っていては、予定外のことが入ってくれば、間に合いません。例えば、保護者の方からの相談、場合によっては面談などが入ってくることがあります。加えて、ミスも起こりやすくなります。作成後に、問題校正する時間が取れなくなるからです。

 さて、「Time is money.=時は金なり」、「光陰矢のごとし」、時間にまつわることわざはいくつもあります。時間はお金で買えない貴重なものです。その貴重な「時間をどう有意義に使うか、どう作り出すか」は本人次第でいくらでも変わります。「中学生は家庭学習時間が学年プラス二時間」とよく言われますが、時間そのものにあまり重要さは感じません。それは、机の前に二時間座っていても、解いた問題が数問、あるいは一ページでは話になりません。恐らく大半の時間ボーとしていたのでしょう。ある程度の学習時間は必要だと思いますが、やはり重要なのは質です。家庭学習の質は学力アップに直結します。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年5月11日

学力アップの道標K

試験勉強
定期テストは事前に、実力テストは事後に…
 テスト(試験)の目的は色々あります。資格試験・入学試験は結果によって、資格を与えるか与えないか、入学を許可するか拒否するかというような合否が伴います。勿論このようなテストでは、合格を目指すわけですから、その他の目的は基本的に存在しません。しかし、学校で行われるテストは、様々な目的を持っています。

 まずは、定期テストからです。定期テストは、決められた範囲からの出題になりますね。目的は生徒一人一人の評価です。最近は観点別の評価をしなければいけない理由から、「興味関心があるか」「論理的思考があるか」などを問うための出題をしなくてはいけません。作成者の自由度はかなり低くなります。また、作成に対する負担も大きいと推測しますが、私には管轄外のことですので、余計な話はここまでとします。さて、定期テストは、決められた範囲である以上、努力の度合いが試されます。計画的に勉強し、やり残しをなくしましょう。特に危険なのは国語です。国語は日本語で問われて、日本語で答えます。数学や理科で出てくる公式もありません。従って、「何とかなる」と思われがちです。確かに解答用紙は殆ど埋めているものの、予想よりも低い点数にショックを受けている生徒がいます。なぜでしょう?それは明らかに勉強不足が原因です。出題される文が決まっている国語こそ、点を取るチャンスです。授業で勉強したノートを傍らに、問題を解いてください。中には先生特有の問題もあるでしょうが、採点の関係があるのか、国語こそ割とオーソドックス出題がされています。「備えあれば憂いなし」やり残しは心の不安を残します。

 次は実力テストです。範囲が広いため、勉強しづらいのですが、何も勉強せず臨むのは感心できません。「今回の実力テストで、この単元だけは高得点を目指すぞ」と、目標を持って臨みましょう。実力テストや模擬試験の大切なことは、現状把握と学力アップにあります。現状把握も2点ポイントがあります。一つ目は、受験集団の中で、自分がどの位置にあるかを知ることです。それにより、志望校決定などの目標を設定します。もう一つは、自分の弱点の発見です。どの教科のどの単元が出来ていないかを把握することです。大切なのはここからです。実際の出題された本問は勿論のこと、類似問題を使って弱点を克服することが大切です。折角判明した自分の弱点が、そのままになっては意味がありません。実力テストは、事後どれだけ真剣にやり直しをしたかで成果が問われます。

 以前教えた生徒にこんな生徒がいまいした。中2までは成績が上位30パーセントぐらいでした。中3の夏休みが終わると、学校のテストで、学年ベスト10に入りました。次の試験では、学年12位です。そのまま成績を保ちトップ高に入学していきました。急上昇のその生徒に、勉強方法を聞きました。彼女が言うには、中1からずっと、学校のテストと塾のテストを全部ファイルして残しておいたそうです。そして、夏休みの間、夏期特訓の合間を使い、そのテストをすべてやり直したそうです。勿論完璧にできると判断した問題はカットしたそうですが。真剣に解いた問題だからこそ、もう一度解き直してみると「ああここでこう間違えたんだ」などと思い返すことができたそうです。入試など大きなテストを前にして、非常に効果的な勉強ですね。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年4月13日

学力アップの道標J

読書量→学力 読み書きそろばん…
 昔から「読み書きそろばん」と言いますが、最も先に「読み」が来るのはなぜでしょうか?それは、すべての学問に通ずる最も大切な勉強だからです。映画や小説で、明治・大正・昭和初期の授業シーンが出てきますが、結構な割合で、教師から指名された生徒(主人公の場合が多いですが)が本を両手に持って、元気よく本を読んでいます。勉強の象徴にさえ見える読書は、最もシンプルで、後々大きなパワーを発揮します。以前、もう二十年近く前のことですが、中三の生徒と進路面談をしている時、中学入学以来ほとんど学年一位の成績を収めている優秀な生徒だったため、お母さんに聞きました。「○○くんはとてもいい成績を収めていらっしゃいますが、何か秘訣でもあるのですか。」と、逆に質問させてもらいました。するとお母さんは「特に勉強を沢山やっているわけでもありませんが、一つだけ言わせてもらうと、小学校入学当初から本をよく読んできましたね。注意しないと、何時間でも読んでいました。」とお答えいただきました。成績優秀者の多くは、どこかの期間である程度の読書量を持っています。

 それでは、読書量はなぜ国語の成績に起因するのでしょうか。
1、語彙力・漢字力向上 
2、慣用句(ことわざを含め)の理解と習得 
3、表現力の習得
4、読解力アップ
5、速読力アップ
などが挙げられます。特に強調したいのは速読力です。国語の問題はそれなりの文章量があります。限られた時間内に読み切らなければなりません。活字慣れをしている生徒は、文章量をあまり気にしていません。次に説明文なら、作者は何を言おうとしているか、段落ごとにまとめることも必要でしょう。物語文であれば、その場面での展開がどうであるか短文でまとめること(あらすじをとらえる)ができるかどうかです。長文を段落や場面ごとに、一・二行で要約する練習は、読解力の基本になります。その練習を繰り返すことで、だんだんと長文への抵抗感が薄らいできます。

 実は、読書から生まれる文章の読解力は、国語という教科のみならず、すべての教科で必要とされます。各都道府県によって入試の仕組みも違えば、出題形式も違いますので、一概には言えませんが、静岡県の公立高校入試問題を考えると、理科は文章量が極めて多く、一つの設問に十五行程度で書かれていることもあります。時間には制限があります。いち早く読み終え、出題者の言わんとすることを読み取るかは重要です。先の大学入試を考えれば、文章量はどの教科であれ、小学校・中学校とはかけ離れています。

 歴史に名を残した著名人、世に言う成功者の共通点は何かといえば、勉強家だったことが一つ挙げられます。その勉強方法が何かと言えば、本を読むことと人の話を聞くことの二つではないかと思います。「書に親しむ」という言葉がありますが、歴史上の偉人たちは、更にその先人たちの経験、発想、理念を学び、礎(いしずえ)としています。「書を読みて栄える者見たり、書を読みて落ちぶるを見ず」です。読書は、前述した、5つの力を培うだけでなく、考え方のセンスも身につけることができ、生きるための信念を植え付けてくれたりもします。読書はいつ始めるべきなどという時期があるわけではありません。思い立ったら、図書館でも本屋さんでもお子さんを連れていってみてはいかがでしょうか。マンガコーナーに引きつけられるお子さんに、将来の夢という磁石で引っぱり返し、ジャンルを問わず、選ばせてみてください。一生に一度の出会いが待っているかも知れません。

三島進学ゼミナール 後藤信行



2015年3月10日

学力アップの道標I

理数は計算力  百ます計算を・・・
 「理数離れ」という言葉を聞いて久しいこの頃ですが、反面「リケジョ」とういう理系女子もまた注目されているのも事実です。「就職は理系がいい」というような偏った見方も良く聞かれます。大体「就職がいい」の定義が曖昧なのに、それについて述べる事は大変難しく思えます。しかし、「理科・数学を苦手」と答える生徒は年々増えているような気がします。

 さて、小学校低学年から学校の宿題として取り入れられているドリル。その一ページに掲載されている問題数が一時著しく減少しました。これも、計算力低下→理数苦手の構図を生みだしている一因だと思います。実際、中学生に理科を教えていて、理数に苦手意識を持っている生徒の大半が、計算力に問題があります。ノートを書き写すことに専念していて、授業内容についてこれていないのです。同じ問題でも既に、途中までの計算を自分で終え、次の展開を待ち構えている生徒と、必死に計算をし続けている生徒、そして、計算が間に合わず、計算の結果を無造作に書き写している生徒を比較すれば一目瞭然、テスト結果は見えてきます。 そこで問われる計算力。例えば、「4800×0.24」を計算します。さて筆算はどのように行いますか?0.24を100倍して、小数点を外すとともに、4800を100で割り、相殺します。従って「48×24」を筆算します。要領の悪い生徒はそのまま、「4800×0.24」を計算します。「0」を余分に書くことによって、後者の方が、時間も余分にかかり、正確さも劣ります。更にこの問題を暗算で行おうと工夫します。0.24=0.25‐0.01ですから、0.25=4分の1  従って、4800÷4‐4800×0.01=1200‐48=1152という具合です。0.5=2分の1、0.25=4分の1、0.125=8分の1は、覚えておくと役立ちます。

 また、「ににんがし、にさんがろく、にしがはち・・・」とうい九九は条件反射のごとく、計算の答えまでの暗記したものです。日本の授業では、九九は当然できるものとして進められます。従いまして、算数・数学に苦手意識を持っているならば、百ます計算で、計算力を身につけることお勧めします。できれば、足し算の百ます計算もやってみるといいと思います。計算ができて、余裕を持って次の展開を待ち構えている状態が出来たのなら、大きなステップアップです。理数の面白さも理解できるかもしれません。今や世界のIT界をリードするインドは、十九×十九=三百六十一まで教えていると言われます。基本の計算力がどれだけ重要かが伺えます。  「木の長きを求むる者は必ず根本を固くす」実は、すべての物事に通づる基本の大切さ、その成果を大きく求めれば求めるほど基本に忠実でなければいけません。英語にも「Back to basics」、スランプになったら基本に返る大切さを訴えることわざがあります。数学・算数の基本は間違いなく計算です。

三島進学ゼミナール 後藤信行


2015年2月9日

シリーズ 学力アップの道標H

ケアレスミスの原因、丁寧さと落ち着き…
 生徒たちが、テストで失敗した時、その言い訳に「ミスだった。本当は出来たのに。」と言うのを何度も聞いたことがあります。「ミスも実力のうち」とも言われるミスはなぜ起こるのでしょうか?実はミスにもいろいろあります。まずは転記ミスからお話しします。問題用紙で正解を出しながら、別紙解答欄には別の解答が書かれているケースをよくみます。転記ミスの起こる原因は、なんでしょう。転記ミスは、数学で多く見られるように、生徒が慌てるからです。例えば、大問1の(1)の解答を終えたとします。解答は解答用紙に記入して終了ですが、ミスの多い生徒は、時間に追われ、問1の(1)の解答を解答用紙に書きながら、器用なことに(2)の問題を読み始めています。ですので、転記ミスは起こるのです。解答用紙に解答を書き終えて完了だという意識を持つことです。これは、常に意識をしているうちに、身につくはずです。

 では次に、書き損じです。算用数字の「1」の頭の部分を折り曲げて書く生徒は何人かいます。折り返しの部分が長くなれば、「7」という字に化けてしまいます。「6」も下の○が大きくなれば「0」に近づいてしまいます。「ア」は続けて書くと徐々に「イ」になってしまったり、「−」記号も横棒が短過ぎて、だだの「・」にしか見えないケースもありました。ではこのようなミスを克服するにはどうしたらよいのでしょうか?すごく簡単なことです。癖字(くせじ)をなくし、丁寧に書くことです。普段から意識しなければいけません。字をきれいに書くことは、社会に出てから確実に役立つことです。ともすれば、人間性だとか人格まで左右しかねない字の美しさ、これを機に、字を丁寧に書く必要性を伝えることができたらいいと思います。

さて、テスト返却時に生徒から出てくる発言に「この問題できたのに。」「やっぱりこっちか、迷ったんだけどな。」というものがあります。別に強がりでもなく、本当に悔しいのでしょう。これもまたミスだと言えばミスです。この種のミスは、知識の曖昧さからきています。例えば「被子植物」の「被」という漢字ですが、偏は「示すへん」ではなく、「衣へん」ですね。「被子植物」は生徒が中学に入学して間もなく、理科の授業で学ぶ言葉です。「被子植物は、裸子植物と違い、胚珠が子房に包まれている植物。」という根本を理解しておけば、間違えることはありません。語句の意味も考えず、ただ丸暗記しようとすると、実際のテストで、得点に結びつかないことがあります。意味を考えながら、何度も繰り返すことが大切です。

最後に、人間ですので絶対ミスをしないなんて無理だと思います。しかし、ミスを減らすことは出来るのです。自分がミスをした時、自分がどのようなミスをしてしまったのか自覚することが大切です。英語であれば、「ピリオドをつけ忘れる」とか、数学であれば、「計算ミスが多い」など自覚すれば、次はやらまいと気をつけようとします。当然、その自覚が希薄であれば、同じミスを繰り返します。一度答案を返却された時、ノートにミスを書き出してみるといいと思います。そして、「やってはいけないミス○○ヶ条」を読み返して、次のテストに臨んではいかがでしょう?たぶんミスが減っていくと思います。高校入試終了後に「本当はこの問題出来ていたのですが、ミスをしました。」と訴えたところで後の祭り、許してはもらえないのです。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」、自分を見つめ直して、将来、言い訳をしなくていい自分を作り上げてほしいと思います。

三島進学ゼミナール 後藤信行

               

2015年1月27日

シリーズ 学力アップの道標G

逆転の発想 80点を超えないと追試が…
 「よしっ、今回のクラス替えテストは追試を行うぞ。」と発言すると、「やったー。」というこちらが期待するような声は出てきません。むしろ「えーっ。」などとどちらかといえば、マイナスの顔をしてきます。もちろん生徒は私に向かってあからさまに声には出しませんが、表情はけして穏やかではありません。私は次のような言葉を付け加えました。「ただし条件がある。80点以上を取らないと追試は受けさせない。この追試は本問と全く同じではない。数値変更だけでなく、入試レベルの難問を入れておく。どうしても追試を受けたいなら80点以上を取りなさい。テストは十日後だ。」さて、本番の結果はどうだったでしょうか。予想に反して、全員80点以上、満点も続出しました。「みんなはそれほど追試が受けたかったか。」などと少しコメントもおどけながら、「良くやった。」とクラス全体を褒めたことを覚えています。「押してダメなら引いてみな。」ということわざもあります。引き技はいつも使っていては効果がありませんが、いざという時は思いの外、好結果を生み出します。

 追試というとマイナスなイメージを抱かれると思います。つまり、「追試は失敗した場合、罰で行われるもの。」という印象があるからです。確かにその意味合いが必要な場合もあります。追試が努力を怠ろうとすることの抑止力となって、生徒たちがテスト勉強に必死になるという状況はごく自然です。さて、ここで、逆転の発想です。普通80点以上取らないと受けなければいけない義務が生じる追試を、80点以上取らないと受けられないという追試に変えてしまったわけです。生徒は面喰います。追試そのものにプラスの価値をつけるのです。「追試を受けたい。」全く逆の気持ちを持たせることはなかなか容易ではありませんが、1・2年に一回ぐらいはやってみるのも面白いと思います。

 以前職場の上司から、非常に興味深い話を聞きました。塾内テストを生徒に作らせ、実施したというのです。本来試験を作るのが教師、試験を受けるのが生徒ですが、逆転の発想です。問題作成を依頼された生徒は、意気揚々と問題を作成したそうです。実施前に問題を解いてチェックするのが教師です。その時、生徒が作成した問題の精度に舌を巻いたとお聞きしました。テスト依頼を受けた生徒は、その質が問われます。授業のノート、教科書の太字、問題集の頻出問題をまとめ上げ、意地とプライドをかけ、作り上げてくるそうです。もちろんその生徒が学校の定期テストで大成功を収めたことは語るまでもないと思います。

 また、追試は名前を変えるだけでも効果があります。「再チャレンジテスト」と命名した追試では、もう一度チャレンジして、合格するというプラス暗示があります。「チャレンジ=挑戦」この言葉自体に恐るべきパワーが宿っています。「前進」「成功」「栄光」といった、前を向いていくような言葉で生徒の周りを取り囲む、いや「取り囲む」自体がマイナスイメージですね、生徒の周りを「彩ってあげれば」、自然と顔が上がってくるものです。

 逆転の発想といえば、以前3月(当塾では3月に新学年に進級します)に、中学3年生に進級したばかりの生徒に向かって、「君ら一年後、全員高校入試で落ちてもいい。」と第一声を発しました。子どもたちはあっけにとられていました。当然ですよね、高校合格を目的に入塾したにもかかわらず、不合格でいいと言われたのですから。もちろんそのあとに言葉を続けます。「高校入試を前にした最後の授業で、俺が君たちに向かって『落ちてもいい』と言わせるという意味だ。もちろん、目標は全員志望校合格だ。しかし、この一年必死に自分の目標に突き進んで、頑張り抜いたら、それは高校合格以上の財産だ。受験勉強をする過程の中で培うものは、「努力」「根性」「感謝」「友情」など個々それぞれだ。それは、高校合格と同様、いやそれ以上に、君たちの一生の宝物になるに違いないと信じている。」と。ただ、これも高校入試に向けて、気合いを入れるためのメッセージです。額面通り「入試に落ちてもいい。」と捉えられても困りますし、保護者の方から「落ちてもいいとはどういうことですか。」とクレームになっても困ります。発言から一週間は「そんな電話が来たらどうしよう。」と不安に思ったのですが、何もありませんでした。生徒たちには私の思いが優先したのだと安心しました。逆転の発想と申しましたが、そこには信頼関係と情熱が必要だということは加筆させていただきます。

三島進学ゼミナール 後藤信行

               

2015年1月13日

シリーズ 学力アップの道標F

整理整頓 子供の将来にも役立つ…
 生徒の皆さん、机の周り・机の中は整理整頓されていますか?
 保護者の皆様、お子さんの机の周り・机の中は整理整頓されていますか?
 実は勉強の効率を考えようとすれば、明らかに身の回りを整えた方が良いでしょう。「もうすぐ定期テストだ、さあ頑張ろう」と思いきや、テストの範囲表が見当たらない。いろいろ探してみたが、結局発見できず、気付くと10分が経過。勉強する前に疲弊(ひへい)してしまいます。範囲表が見つかればまだしも、残念なことに見つからず、とはいえ友だちに聞くのも面倒で、適当な範囲を勉強したとします。最悪なのは範囲違いです。これでは話になりません。

 それでは、整理するにあたっての参考例を述べてみたいと思います。まず、環境を整えましょう。机の上に透明なシートが置いてあれば、その中身の量を注意してください。あまりに挟み過ぎて、ペンを置くと転がってしまう。そこまで挟み込んでいる場合、不必要なものが半分以上あります。思い切って捨ててしまうことも時には大切です。机に備え付けの本棚も危険です。小物、特に小さなキャラクター商品などはくせ者です。私事ですが、娘がまだ小学生の時、どこで手に入れたかは知りませんが、ピカチュウの小さな人形が、本と本の間を陣取っていました。娘は勉強する最中、そのピカチュウと目があったようで、すぐさま、5,6センチメートル右に移動させました。ところが、しばらくすると、そのピカチュウがもとの位置に戻っているではありませんか。その事実を娘に確認すると、特に意味なく動かしていたそうです。それからさき、娘の机のシートが無くなり、机の本棚付近にいたピカチュウをはじめとしてエルモ、ミッキーマウスたちが引っ越しをしていきました。勉強机の周りは出来るだけシンプルにするのがいいでしょう。逆に「目指せ、○○高校合格」などの張り紙は、集中力を戻すのに効果的です。テストの範囲表は目につくところ、例えば、机に座った時に目に入る机の右の壁に貼っておくといいでしょう。

 次に机の引き出しです。真ん中はもらってきたプリント類などを入れておくことをお勧めします。特に学校関係、塾関係、友だち関係などジャンルごとに仕分けして、ファイルに入れておくと便利です。教材は、引き出しによって学校のものと塾のものと区別しておきます。なお、英数理社国が順になっているとベストです。もちろん順番は本人が決めてください。このような環境を作れば、勉強を始めようと思った瞬間から、すぐに始めることができます。準備に何分もかかる場合と比較して、どちらが効果的で、分量多く勉強できるかは自明です。

 私たち大人であっても同じことです。書類ケース、自動車のキーなど所定の場所に置いてあるからこそ、スムーズに出かけることが出来ます。世の中は契約社会です。期限を守らなければ、契約に反するということで、信用問題にもなり兼ねません。時に、自分の煩雑(はんざつ)さが、人生を左右することもあり得るのです。身近なことでも同じことが言えます。回ってきた回覧板を次の人へ渡すことや送られてきた結婚式の招待状に対して、出欠の返事を書くことは、すぐやらないと忘れてしまいます。「今度の日曜日に地区の一斉清掃があります。」と翌週の月曜日に回覧版が回ってきて慌ててしまった経験があるのは私だけでしょうか?即行動することと、決められた場所にきちんとしまう作業は生徒の学力アップの目的だけでなく、将来役に立つ習慣です。是非一度、机の周り、机の中の整理整頓を行ってください。いかに効率的かが見えてきたら、定期的に整理整頓を行いましょう。ドイツのことわざに、整理整頓がどれだけ大切かを訴える「整理整頓は人生の半分」という言葉があります。以前、職場の先輩に「忙しくて時間がありません。」と愚痴をこぼしたことがあります。先輩はひと言「時間は自分で作るものだよ。」と助言をくださいました。この言葉は、今や完全に私のライフスタイルの一部になっています。

三島進学ゼミナール 後藤信行

               

2014年12月22日

シリーズ 学力アップの道標E

反復に勝る勉強方法は無い、スモールステップを…
 勉強の基本は「暗記」、学者さんの中では、数学ですら暗記教科だと言われる方もいらっしゃいます。これは勉強だけではないのですが、あることを習得しようとすれば、反復練習に勝るものはありません。なぜなら人間は「覚える」に対して、同時に「忘れる」という行為を行っているからです。以前こんな歌謡曲を耳にしたことがあります。「♪悲しみの量が飽和を超えたなら、○○するしかないじゃありませんか〜♪」○○に入る言葉は「忘れる」です。忘れる行為は人間にとって時には大切なんだと思いました。しかし、残念なことに、大切なことも忘れてしまうのが人間。本当に覚えるなら繰り返すしかありません。私事ですが、仕事の性質上、子どもたちが夜に見るようなテレビ番組をあまり見ません。そのせいか、芸能情報に関してはそんなに強くありません。しかし、SMAPのメンバーの名前はフルネームで五人全員言えますし、最近では「嵐」のメンバーもマスターしました。理由は簡単、あれだけテレビに出演されていると、いくらテレビを見る機会が少ない私でも、家族から「N君は、歌はいまいちでもダンスに切れがあるよね。」などと何度も名前を耳にしているうちに顔も名前も覚えてしまいます。歌もそうですね。連続テレビ小説の主題歌など「♪ありがとうって・・・」そこかしこで聞きました。歌詞のみならず、曲まで頭に入ってきます。恐るべし、繰り返しの効果。

 私は、授業内容の定着を図るためによく小テストを行います。よく実施しているのは、授業の開始直後に行う前回の授業内容の確認テストです。名前は「chocotes(チョコテス)」(教え子命名)。授業内容の定着を図るため、生徒に「次回から、授業の最初にちょこっとテストをしようと思う。宿題内容から、数問を出題するつもりだ。誰かこのテストの名前を付けてくれ」と話しました。するとある女子生徒が「それなら、チョコテスでいいじゃないですか。」と。意外にもあっさり決まりました。私は、このようなことで生徒を巻き込むことをよくします。少なくとも命名した生徒は、この小テストに対して高い意識をもって頑張ります。さて、この小テストですが、分量は決して多くてはいけません。といって簡単すぎてもいけません。努力は必要ですが、負担にならないテスト、「chocotes」の目標平均点は満点です。

 小テストは、
レベル1
→授業の開始直後(前回授業の確認、宿題チェックが目的)。
レベル2
→授業の開始直後+授業終了直前(本日の授業内容の定着確認、授業の集中力アップが目的)
レベル3
→授業の開始直後+授業中盤(授業でアクセント、生徒へ刺激を与える目的)+授業終了直前の3段階で考えます。


 クラスに沈滞ムードが漂うようであれば、レベル3を継続させることです。緊張感の欠如から、クラスの雰囲気は重くなります。小テストという刺激は、適度の緊張感を生みます。ただし、出来るだけ範囲を狭くして実施することです。単元を短く区切ることで、ダラダラ感が払拭されるのです。私たちは学力アップのツールとして、「学力トレーニング」を採用しています。このツールは、スポーツジムやカルチャークラブの勉強版です。「得意分野を伸ばしたい」「弱点教科を克服したい」など、自分の目的に合わせて、レベルや、教科だけでなく単元も選ぶことができます。更に、スモールステップで生徒の緊張感を保ち、一つずつ階段を上っていくシステムです。ヒトの集中力は継続時間20分が限度といわれます。もちろん集中力の度合いによって異なるものでしょうが、人間一つのことにそんなに長く集中できないことは、誰もが経験で知っていることではないでしょうか。まさに、「千里の道も一歩から」ですね。

三島進学ゼミナール 後藤信行

               

2014年12月2日

シリーズ 学力アップの道標D

答え合わせで差がつく 赤丸の恐怖とは・・・
「実践問題」・・・問題集のタイトルや、問題集の中に書かれているこの言葉に、妙に心ひかれる保護者の方もいらっしゃると思います。何を隠そう私もこの「実践」という言葉を良く用います。いくら教科書にアンダーラインを入れようが、ノートに教科書内容をまとめようが、テスト問題を解けなければ、本末転倒、学力アップとは無関係の、時間つぶしになってしまいます。もちろん、ノートまとめを全面否定しているわけではありません。そうではなく、実力アップを目的とするなら、実践問題(実際、定期テストや入学試験で出題される問題)を解くべきだと主張したいのです。  問題集を進めるにあたって最も重要なのは「答え合わせ」です。学力差が出るのはここです。もちろん、一つ一つの問題に真剣に取り組むのは最低条件ですが、答え合わせは、時間も短く、案外適当に行われることが多い現実があります。出来る問題は出来るが、出来ない問題が出来ないままでは、問題集をやった意味がありません。答え合わせをするとき、解答は○×に分かれます。同じ×でも二通りあります。転記ミス、計算ミス、勘違いなどいわゆる本当は出来たのに失敗した類の×と、本当に解けなかった×です。更に、解けなかった×も二種類に分かれます。解説を読んで理解できる×と、それでも理解できない×です。ここで実力差が出ます。

 解説を読んで分からない×は、放置せず質問をしなければいけません。
 ちりも積もれば何とやら・・・。そのような問題が一日一つでも残れば、いつか何問にも蓄積し、理解するのに厄介なことになります。大切なのは、即解決を図ることです。私たち大人も、仕事を溜(た)めれば溜めただけ、手をつけるのに億劫(おっくう)になりますね。確かに一回一回、その都度行うのは面倒だと思うこともあります。例えば食器の洗い物や洗濯物。しかし、一度でも溜めた経験のある方は、何か心の晴れない気分に苛(さいな)まれたはずです。また、溜めて後でまとめて行うことの大変さを感じられた方も多いと思います。

 続いて○について考えます。実は、○も二種類に分かれるということです。本当に理解していて大丈夫な○と、偶然合っていた、すなわち勘で解答したらラッキーなことに正答だった○です。子どもたちはこれをできなかった問題として扱いません。それこそ「よしっ、ラッキー」として赤丸を付けてしまいがちです。しかし本当にそれでいいのでしょうか?例えば、選択肢「ア」というかな符号で解答し、正解だった問題が、再び同じ選択肢の順で出題されるかは疑問が残ります。または同じ問題でも、選択肢問題ではなく、記述式、論述式の出題形式に変わるかもしれません。つまり、それは○ではないのです。できなかった問題として自覚し、語句であれば繰り返し練習すること、計算問題などであれば、消してやり直してみる必要があるのです。「ラッキーでも○は○」それは本番のテストであればまだしも、普段の練習の中では、決して許されることではありません。○がたくさんつけばとてもいい気分になることは子どもの心理です。教壇に立っていてこのような場面に出会うことがあります。生徒に問題を出して解かせ、その後解説を行うのですが、明らかに間違えた生徒が書き直しをし、赤で○をつけているのです。全く無意味なこの行動がどこから出てくるのでしょう。一つは、保護者の方に見られたときにかっこ悪い(叱られる)という心理。もう一つが厄介なところなのですが、それは「自己満足」です。赤丸は生徒にとって一種の安心感を得られる記号なのです。それは、大人にも言えます。赤丸がついていれば出来ていると思わず思ってしまいます。時として、赤丸は学力アップの妨げになることもあると申し上げておきます。

 加えて、テスト直しに赤で答えを書くこともあまり奨励していません。赤で答えを書くことは、「やり直した=出来るようになった」という勘違いを生みます。宿題を出す教師側、それを確認する保護者、宿題をやる本人、三者とも赤で答えが書きこまれていることで、満足感を得ますが、それだけです。本当に実力アップを考えるなら、もう一度やり直してみることです。

 さてこのような問題集のやり方・テスト直しをしていると他に弊害が出てきます。例えば、「こんなに問題を解いて臨んだのにテストができない。」と考えた生徒には、「自分はセンスがない」「自分には勉強に向いていない」などマイナス傾向の意識が芽生えることです。「労多くして功少なし」どころではなく、最悪なのは「自分は勉強に向いていない。」とやる気をなくしてしますケースです。結果が出ないのは、個々の能力よりもやり方に原因を感じます。

三島進学ゼミナール 後藤信行

               

2014年11月19日

シリーズ 学力アップの道標C

時には応援団、時には傍観者(ぼうかんしゃ)
考える力を・・・

  大人と子どもの関係において、「ある程度の距離」とはどのような距離のことでしょうか?放任主義という言葉がありますが、子どもが脱線しそうになったら、元のレールに戻してあげるのは大人の義務です。しかし、手とり足とり子どもにかまっていては、いつまで経っても子どもは自立してくれません。時には「親の甘茶が毒になる」こともあります。ということは、バランス感覚が重要になってくるわけです。

 それではまたまた質問ですが、「努力」と「成果」では、どちらが大切ですか。「努力をしたのなら、結果がどうであれ仕方がないことだ。」という考えと、「結果がすべてだ。努力などしないでいいならそれに超したことはない。」という考え、どちらに賛同されますか?以前保護者会で問いかけさせていただいたことがあります。保護者の方は困惑されたようで、その時は、勿論保護者の方に直接挙手などして頂かず、私の考えを述べさせていただきました。まず私の考える成果についてですが、誰もが簡単にできるテスト、平均点が100点、所要時間3分の問題ができたと言って、ベタ褒めすることはありません。それは本当の成果とは言えないからです。しかし、平均点が半分も満たないテストで満点を取ったのなら、これは素晴らしい成果と言えるでしょう。難度が上がれば、それをできるようにするための努力が必要になります。また、一流大学、トップ高に偶然入る生徒はいません。そこにも努力が必要になってきます。自らの思い描く成果を追求するなら、たゆまない努力が必要なのです。

 子どもたちにもこんな話をしたことがあります。中学1年生に対して、「例えば、50メートル競走をしたとする。自分以外みんな年下で、一番を取ってうれしいと感じるかい?いや、そうではないはずだ。しかし、全員が高校生という中で、もし一番を取れたなら、それはとてもうれしいと感じるだろう。成果とはそういうものだ。自分にとって、成し遂げてうれしいと思える成績を取ろうじゃないか。しかし、それにはそれ相当の努力が必要だ。」と。

 ここで「努力に裏付けられた成果」とは何だろうかと考えさせます。大切なのは、努力の対象である本人が、成果を出す過程で、いかに考え、いかに行動したかです。分からない問題に出会ったとき、まずは自分で考え、自分で調べてみることです。一見非効率に思える行動でも、後に大きな財産になることがあります。分からないからとすぐに、周りに助けを求めてしまっては成長を阻害してしまいます。まずは、問題を解き、その後で自分で解答解説を見て、解き方の筋道をよく考えることです。自分で解決すればOKです。そこで理解できなければいよいよ質問です。自分で考えることで、内容定着のみならず、問題解決能力も身につきます。それが、将来のための勉強なのです。つまり、手出しをし過ぎては、甘える一方で、成長を阻害してしまいます。その場しのぎにしか過ぎない対応を繰り返すと、「何でも即質問」という甘え認識が習慣化し、高校受験、大学受験、就職などという大きな関門を前に、誰か頼れる人がいなければ、立ち尽くすだけになってしまいます。親も教師も、「時には励ます応援団、時には傍観者」でなければ、永久に手ほどきをしなければならない、自立とは無縁の大人になってしまう危険があると思います。子どもの将来を考えると、大人と子どもの「ある程度の距離」とは、「近過ぎない距離」と考えられるのではないでしょうか。


               三島進学ゼミナール 後藤信行

2014年10月20日

シリーズ 学力アップの道標B

競争原理と成長 目に見える目標を・・・

 オリンピックの100メートル競争、スタート前の緊張感といったら、手に汗を握る場面ですね。もし、スポーツに優劣、勝ち負けがなかったらと考えたらどうでしょう。はたして、そのような緊張感が生まれるのでしょうか?今から96年前の1920年、男子100メートルの世界記録は、10秒6でした。現在に至るまで、カール・ルイス選手、モーリス・グリーン選手、アサファ・パウエル選手などみなさんに馴染みのある名前の選手が世界記録を次々と塗りかえ、今や世界記録は9秒58とウサイン・ボルト選手は十秒を優に切っています。もっと速く走りたい、競走相手に勝ちたいという気持ちがアスリートの背中を押すのでしょう。スポーツの競争原理は、記録向上に大きなメリットをもたらします。その効果は、勉強においても期待されます。

 ある日の授業中、「この問題は、前のクラスで二人しかできなかった問題だけど、やってみるか。」と生徒に問いかけると、大半の子どもたちが「やろう。」と気合十分で待ち構えてきます。出来た生徒は、クラスのヒーロー・ヒロインになります。同じクラスの中でも、出来た生徒に順位をつけると競い合って早くやろうとします。もちろん全員に順位をつけている余裕はなく、「ベスト10(テン)だけ順位をつけるぞ。」とか、「制限時間は、一番早くできた生徒プラス三十秒。」など、競う条件に工夫を見出すほど、生徒たちの取り組みは良くなります。家庭学習においては、このような競争は難しいでしょうが、目覚まし時計を活用し、時間制限を設けるなど、適度な緊張感を作り出すことは可能です。

 更に、答えが合っていた生徒から帰ってよいというルールで授業の最終問題を出題すると、みな我先にと私のところにノートを持ってきます。問題が合っていた生徒はガッツポーズ、間違っていた生徒は天を仰ぎ、すぐさま自分の机へと戻っていきます。この時の生徒たちの集中力ときたら恐るべきです。この集中力で終始授業を受けてくれたらと、いつも思います。

 また、問題が出来た生徒には、「正解」だけでなく、「さようなら」を付け加えて伝えています。たぶんそれが所以(ゆえん)かと思いますが、いつしかこのような最終問題は「サヨナラ問題」と言われるようになりました。生徒たちは、授業終了前の私のひと言にかなり敏感に反応してきます。「それでは今日の授業は・・・。」、「ここまでで終わりです。」というセリフが残っているにも関わらず、生徒はノートをたたみ、ペンと消しゴムを筆入れの中に入れ、帰り仕度をしようとします。そんな場面に出くわすと私は「礼儀に反する」と厳しく注意します。しかし、生徒心理は、何となく分かります。その心理を利用したのが「サヨナラ問題」です。

 行きつくところ、日々の勉強にもゴールが必要です。そのゴールには達成感が伴わなければなりません。その日の授業で「やった。身についた。」という達成感は、生徒たちが頑張ろうとする気持ちを後押しするでしょう。私たち教師サイドからみれば、1時間1時間の授業に目標を持っています。従いまして、教師側の達成感も同じです。生徒からの「今日の授業良くわかったよ。」のひと言がどれだけ私たちに達成感と元気を与えてくれるかお分かり頂けると思います。

 さて、私が中学校時代のことです。田舎の中学で陸上部が無かった私の中学では、リレーの走者が各部活から選抜されました。当時、私はそこまで足が速くないのに選出され、リレーの練習に参加することになりました。わざわざそう書いたのは、あまり自信が無かったからですが、練習方法を体験すると、私の気持ちは一変しました。それは、今までに経験したことの無い練習でした。まず選抜選手は各自100メートルのタイムを測ります。その後、そのタイムからスタート位置をそれぞれ決められます。つまり、遅い選手は前から、速い選手は後ろからのスタートとなるわけです。タイム上、スタートラインについた全選手が同時にゴールする設定で、ひとりひとりスタートラインが決まったのです。何度か練習が続きました。遅い選手は抜かれまいと、速い選手は全員抜こうと必死になりました。結果、全員のタイムが向上しました。つまり、競争原理が全員のタイムを押し上げたのです。成功したスポーツ選手からよく「ライバルがいたから成長できた。」と耳にします。具体的な目標、それも目に見える目標は、競争心をかき立て、成長・発展へと導いてくれるのだと思います。冒頭にあげましたアスリートの話だけではなく、昨今成長目覚ましい企業も、発展している国も、このことを証明していることに気づきます。


               三島進学ゼミナール 後藤信行

2014年10月8日

シリーズ 学力アップの道標A

努力の仕方にもコツあり。
漢字を覚えるならテスト形式で・・・。

 よく「新出漢字を、1つにつき一行ずつ書きなさい」という宿題を見かけます。生徒たちは、早くやり終えたいとばかりに、そのスピード競争を始めています。中には、同じ1つの漢字を、部首とつくりを別々に1行ずつ書き出す生徒も出てきます。いやはやこの私も、40年前、同じ作業をしたことを覚えています。へんとつくりがずれてしまい、まあ何とも滑稽(こっけい)な状況が出来上がり、消しゴムで思いっきり消すと今度はノートが破れてしまい、最悪の状況になってしまいました。「急がば回れ」と言われるように、かえって真面目に1つずつ漢字を書きあげた方が、時間がかからなかった記憶が苦い思い出となって残っています。

 さて、私の名前には「信」という字があります。記憶の中では、就学前の保育園時代に書けるようになった漢字です。しかし、この漢字の履修学年は小学校4年生です。私にとって、「信」という漢字をノートに1行書くのは、漢字を覚えるという目的とはかけ離れた、ただの作業でした。つまり、既にマスターした漢字を1行ずつ書くということは、『手を鍛え上げる運動』でしかないのです。この手の勉強にはもう一つ大きな欠点があります。それは、一行書いても『覚えることができたのか不安が残る』ということです。漢字の勉強を、宿題と考えれば自信の有無に関わらず、1つの漢字を1行書いて終了です。しかし、できる漢字もできない漢字も一律1行書けばよいという宿題としてしか漢字練習をしなかったとすると、不幸です。他にも、新中1生が英語の一人称主語「I(私は)」を1行ずつ練習する姿を見かけたことがあります。その生徒は、小学校4年生から英語を勉強している生徒です。彼は途中で嫌気がさしたのでしょう。IとIの間隔がだんだん広がっていました。勿論、宿題である以上やり遂げなければなりません。しかし、どうせ練習するなら別の(未履修)単語を書いた方がいいのではと思うのは私だけではないと思います。

 効果的に漢字をマスターするなら、漢字テストを行うことです。そうすれば、できる漢字は確認で終了し、できない漢字は、1行練習しただけで終わらず、2行・3行と繰り返して練習することになります。漢字テスト前に、もう一度見直している生徒がいます。ここで更に繰り返されています。定着率が高くなるのは明らかですね。また、漢字テストには評価が伴います。良かったら褒められ、悪かったら叱られる。これも、漢字をマスターするには良い刺激となります。本当の努力は、自分の実力をつけるために、また、成果を出すために勉強することであって、目的意識のないまま単純作業をすることではないと教えなければ、将来子どもたちは途方にくれてしまいます。なぜなら、社会が成果の伴わないアリバイ作業を許してくれないからです。


 《漢字の覚え方》

〈漢字の覚え方 その@〉
漢字の意味を理解しながら、部首とつくりを考えて覚えることをお勧めします。例えば「信」は、人がはっきりと言葉を発し貫くことから出来上がったとも言われます。三日月に雲が二つかかった情景から作られた「月」などの象形文字は、文字原形を調べてみるととても関心が持てます。

〈漢字の覚え方 そのA〉
熟語をいくつか覚えると、他の漢字も同時に覚えることが出来ます。一石二鳥どころか、三鳥、四鳥も狙えます。例えば、「設」の熟語は、建設、設備、創設、開設、設計など、そこから意味を「物を作る、備える、定める」という意味を持つと覚えれば、「建、備、創・・・」なども同時に覚えることができます。

〈漢字の覚え方 そのB〉
大きく正確に書くと一回で覚えることもできます。以前、新聞紙に大きく墨で書くといいと聞いたことがあります。自分ルールで、書き直し不可と決めておくと慎重になり、「しめすへん」と「ころもへん」の違いなど、細かい点をチェックしながら覚えることができます。


               三島進学ゼミナール 後藤信行

2014年9月23日

シリーズ 学力アップの道標@

勉強は面倒くさい? だとすれば…
 「勉強が嫌い」と答える生徒の一番の理由をご存知ですか?生徒の学力アップを図るには、まずそこから分析しなければなりません。かつて、『勉強が嫌だなと思う理由は何ですか。』というアンケートを子どもたちにとったところ、圧倒的第一位は「面倒くさいから」という理由でした。それでは、「面倒くさい」とはどんな意味を持つのでしょうか。同義語には、「煩(わずら)わしい」「厄介だ」、他にも、「やりたくない」「お断りします」とあります。では、なぜ勉強は面倒なのでしょうか?例えば、大半の子どもたちはゲームをするとき、面倒だとは思いません。むしろ積極的にゲームをしたがります。それは、楽しいからというゴール(ゲームでいうステージクリア)を、親が子どもに見えやすい形として提示しているからです。子どもたちから「カルタやトランプを一緒にやろう」という提案があった場合、親はそれに了解をしつつも、「もう一回、もう一回」と何度もせがまれると「面倒だな」とは思うことがありますね。しかし、子どもとのスキンシップや、子どもの笑顔、成長を見る楽しみという目的が存在すれば、その面倒くさいこともどこかに吹っ飛んでしまいます。

 色々お話をしてきましたが、「勉強が面倒くさい」と思う根本の理由は、目的意識の希薄、いや欠如が大きな問題でしょう。「勉強はなぜ必要ですか」の問いかけに、「将来のため」と答える生徒は多いのですが、どこか漠然としています。将来の夢や就きたい職業が明確であればあるほど、勉強への面倒くささは払拭(ふっしょく)されます。もう十数年前の進路面談での出来事ですが、「なぜトップ高へ行きたいの?」の問いかけに「将来開業医になりたいからです」と、はきはき答えた生徒がいました。彼は小学校から将来医者になると決めていたそうです。それも自分で開業するのだと。そのために当時開業医になるためにはNO1だという名古屋大学医学部を目指すと彼は断言していました。また、幼いころからアナウンサーに憧れていた生徒は、女性アナウンサーを多く輩出している上智大学と青山学院大学に絞り、実際に見学に行きました。そして、志望大学を決めてから、トップ高に進学の意志を固め、実際に進学した生徒もいました。目標を持つことは勉強を進めるうえで、大きな力になります。まだ将来の目標がまだ定まっていないとしても、「勉強の目的=職業の選択肢を多く設けるため」の話が必要でしょう。

 更に、直近の定期テストや実力テストなどで、目標得点、目標偏差値、目標順位を決めるのも大切です。小テスト(授業確認テスト)にも目標があると子どもたちの取り組み方も違います。例えば「○○さんに勝つ」「前回のテストより○点アップ」などなど。目標を達成すれば、喜びに繋がり、達成できなければ、悔しさが残り、それが次のステップへと飛躍するバネとなります。勉強は面倒と思っても、その先には大きな喜びや幸せが待っていると思えたら、また、それが成長の糧(かて)となると理解できたとしたら、きっと勉強は面倒なものではなくなるはずです。

               三島進学ゼミナール 後藤信行